中高年女性とコレステロール

閉経後の健康診断でコレステロール値が高いとわかり、びっくりすることがあります。

しかし、女性の場合、更年期と同時にコレステロール値が上がる傾向があるので、慌てないでください。
それは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量に関係しているからです。

更年期とコレステロールの関係

40代前半までは、コレステロール値が低かったものの、40代後半から50代の更年期に入ってからコレステロール値が高くなった場合、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量が減少したことが大きな原因と考えられます。

エストロゲンには、余分な悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を分解して排出する働きがあるほか、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の合成を促進する働きがあります。

そのため、更年期に入り、エストロゲンの分泌量が減少すると、特に脂っぽいものを多く食べなくても、コレステロール値が上昇してしまいます。閉経前から徐々に上昇したり、閉経後に一気に上昇する場合もあります。

以前は総コレステロール値が220mg/dlを超えると「高脂血症(高コレステロール症)」と判断され、コレステロールの上昇を抑える薬を飲んだりしましたが、現在は心臓疾患などの危険因子がなければ、240mg/dl以下までなら、さほど心配はいらないと考えられています。

では、コレステロール値が高めでも、このまま放っておいて良いのかということになると、必ずしもそういうわけではありません。


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脂質異常症に注意

「高脂血症(高コレステロール症)」という名称は、2007年4月からは「脂質異常症」という呼び方に変わりました。

コレステロール値が高いと、動脈硬化や心臓病、脳卒中などのリスクが高くなりますが、そのリスクは悪玉コレステロール(LDLコレステロール)、善玉コレステロール(HDLコレステロール)、中性脂肪(トリグリセライド)の3つが関連していることがわかって来たからです。

危険であるかどうかは、次の3つの値を見て判断されます。

脂質異常症の診断基準(空腹時採血による)

  • LDL(悪玉)コレステロール・・・・140mg/dL以上
  • HDL(善玉)コレステロール・・・・40mg/dL未満
  • 中性脂肪(トリグリセライド)・・・150mg/dL以上


コレステロール値を下げる努力をしよう

LDL(悪玉)コレステロールと-中性脂肪(トリグリセライド)は、基準値よりも低くなるように、またHDL(善玉)コレステロールは、基準値よりも増やすように努力することにより、生活習慣病のリスクを遠ざけることができます。

そのためには、脂っこい食品を避け、定期的な運動を続け、肥満を防ぐことが大切です。

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