目が閉じてしまう眼瞼けいれん
「眼瞼(がんけん)けいれん」は、まばたきの回数が多くなることから始まり、次第に下まぶたのけいれんの他、上まぶたもけいれんするようになります。(ただし、ピクピクとしたまぶたのけいれんの症状は出ない場合もあります。)
また、明るいところでは異常にまぶしく感じたり、目が乾いてショボショボするような感覚があり、ドライアイと間違われることがあります。
病気が進行すると、自分の意志とは無関係に眼輪筋が収縮してしまうため、まぶたが自然に下がってきたり、急に両方の目が閉じてしまい、しばらく開けることができなくなることもあります。
眼瞼けいれんの発症は、40代以降の女性が最も多くなっており、全国では数十万人以上の患者さんがいると推定されています。
病気自体はそれほど危険なものではありませんが、歩いていて何かにつまずいたり、階段を踏み外したり、車の運転に支障をきたすなど、日常生活への影響が大きくなってきます。
治療することにより改善が可能なので、眼瞼けいれんと思われる症状が出たら、早めに眼科の専門医を受診しましょう。
眼瞼けいれん発症の原因
眼瞼けいれんが発症する原因は完全に解明されてはいませんが、大脳基底核の機能異常によるものと考えられています。
過度なストレスにより発症することが多く、また眼瞼炎や結膜炎などの病気がきっかけとなって発症することもあります。
眼瞼けいれんの治療法
眼瞼けいれんは、まだ原因が解明されていないため、根本的な治療法は確立されていませんが、症状を抑えたり、改善したりすることは可能です。
現在は、主に次の3種類の治療法が行われています。
- 薬物療法
症状が軽い場合は、薬物療法により改善することが可能です。
主に、抗パーキンソン薬、抗コリン薬、向精神薬などが使用されます。
- ボツリヌス療法
薬物療法で改善が見られない場合に行われるもので、けいれんしているまぶたの筋肉にA型ボツリヌス毒素製剤を注射します。
A型ボツリヌス毒素製剤は、筋肉の収縮に関与する神経伝達物質「アセチルコリン」の放出を抑制する働きがあるため、けいれんの症状を軽くすることができます。
効果の持続は約3~4ヵ月なので、再度注射する必要がありますが、治療時間も短く、眼瞼けいれんの治療の場合は保険も適用されるため、現在の治療法の主流となっています。
- 手術
症状が重い場合は、手術という選択肢もあります。
目の周りを取り囲んでいる眼輪筋の一部を切除するものですが、術後に顔の表情が変化してしまうこともあるため、熟練した医師のもとで行うのが望ましいと言えます。
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