橋本病の検査と治療

橋本病は、甲状腺ホルモンが基準の範囲内であれば、治療を急ぐ必要はありません。しかし、甲状腺ホルモンの濃度が一時的に変化したり、徐々に低下する場合がありますので、定期的な検査を受ける必要があります。
また、病状が進行して甲状腺の機能低下がはっきりと認められる場合は、治療を行います。

橋本病の検査

橋本病が疑われる場合は、病院の内科で検査を受けてみましょう。紛らわしい病気がいくつかありますので、できれば、甲状腺専門の病院で検査を受けると確実です。

橋本病の検査はまず、問診と触診が行われ、超音波で甲状腺の腫れを確かめます。
ここではっきりと診断が下せない場合は、血液検査を行い、甲状腺ホルモンや分泌状態を確認します。
また、自己抗体の検査を行い、抗サイログロブリン抗体と抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体の二つが陽性になるかどうかを確認します。

この二つの抗体のうちひとつでも認められれば橋本病と診断されますが、自己抗体検査で陰性になっても超音波検査や甲状腺の生検、穿刺吸引細胞診でも橋本病の診断は可能です。

橋本病と診断されても、甲状腺ホルモンが基準の範囲内であれば治療の必要はありません。しかし、甲状腺ホルモンの濃度が一時的に変化したり、徐々に低下する場合がありますので、定期的な検査を受けて経過を観察していくことになります。

どの程度の間隔で検査を行うかはその人にもよりますが、通常は半年~1年に1回くらいの間隔で検査を行います。
しかし、甲状腺の腫れが大きい人や炎症が強い人、不快な症状が強く出る人は、もう少し間隔を狭めたほうが良い場合もありますので、検査を受けた病院の指示に従ってください。


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橋本病の治療

橋本病では、甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンの分泌異常がある場合、治療が必要となります。
症状が軽くても、甲状腺ホルモンの不足が長期間続くと、新陳代謝が低下して全身に影響が出てくるからです。
肝臓の機能が低下したり、心臓の働きが弱くなったり、コレステロール値が上がったり、その他さまざまな老化現象が起きてきます。

橋本病の治療は、不足している甲状腺ホルモンを補充する目的で、サイロキシンなどの甲状腺ホルモン薬を服用します。
心臓に病気のある人や機能低下が著しい人は、小量から服用を始め、少しずつ増量して行きます。

血液検査を行いながら、それぞれの人に合った適量の甲状腺ホルモン薬を決め、それを服用して行くことになります。
甲状腺ホルモン薬を服用しているうちに、甲状腺の腫れによるさまざまな不快な症状が改善して来ます。


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