多汗症を治療して汗を減らす方法
多汗症を治したいと思った場合、何科に行ったら良いのか迷いますが、まずは皮膚科を受診してみましょう。
いくつかの治療法がありますが、皮膚科で汗の出方や量を検査し、どのような治療で改善できるかのアドバイスをもらうのが近道です。
軽症なら内服薬や漢方薬で改善の可能性があり、精神的発汗が原因なら心療内科へ、重症の多汗症なら外科で手術を行うという選択肢もあります。
多汗症の治療法
- 内服薬
過剰に反応してしまう交感神経の働きを抑えるために、抗コリン剤などの内服薬が使用されます。
交感神経の末端に作用し汗の分泌を止めますが、効果は一時的であり、口渇、便秘、排尿障害、胃腸障害などの副作用が出る場合もあるので、医師とよく相談して使用することが大切です。
- 塩化アルミニウム液を塗る
脇の下や手のひらなど、汗の出る箇所に直接塩化アルミニウム液を塗ることにより、汗を止めます。
汗の出口である汗腺を塞ぐことにより汗を止める方法で、「オドレミン」、「テノール液」などの商品名で市販されているものもあります。
手軽に使用できますが、粘膜付近や傷がある箇所は使用できないので、注意してください。
また、汗が止まるのは塗っている間だけですが、精神的な安心感が得られるというメリットがあります。
- 心身療法
多汗症は、精神的なストレスや緊張も大きな原因のひとつになっています。
さらに汗に対する恐怖感や強い不安感を持ってしまうと、症状も悪化する傾向にあります。
このような場合、心身療法が症状の改善に役立ちます。
心身療法は、主にカウンセリングによって緊張や不安を取り除いたり、自律訓練法によって自律神経の働きを整えるという方法で行われます。
- 超音波治療法
多汗症は、エクリン腺という汗腺から汗が出てきますが、超音波によりこの汗腺を取り除くという治療法があります。
治療後はほぼ確実に汗の量が減少するため、非常に効果のある多汗症治療法として知られていますが、それに伴う副作用の可能性も指摘されています。
汗が大量に出る部分の汗腺を除去してしまうため、その他の部分からの汗の量が増えてしまう「代償性発汗」の可能性があるからです。
- 漢方薬
即効性はありませんが、医薬品よりも副作用が少なく、徐々に体質を変えて行くことにより多汗症を改善できるのが、漢方薬です。
自律神経を安定させ、発汗のバランスを整えて、過剰な汗の量を減らして行きます。
多汗症改善に良く使われる漢方薬には、「五苓散(ごれいさん)」「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」「桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)」などがあります。
- イオンフォーレシス療法
脇の下や手のひら、足の裏など、汗が多く出る箇所を水道水で浸し、そこに弱電流を流して汗腺の働きを抑えることにより、多汗症を改善して行くという方法です。
日本では、イオントフォレーシス療法を導入している多汗症の治療院は少ないものの、薬剤を使用しないため、副作用が殆どなく局部的な多汗症には効果的とされています。
しかし、効果が出るまでに2週間ほどかかり、継続的な治療を必要とするため、費用がかかるという難点があります。
- ボトックス注射
汗腺の働きを衰えさせる作用のあるボツリヌストキシンを、汗が多く出る箇所に注射し、多汗症の症状を改善させるという方法です。
メスを使わないので傷跡が残ることもなく、入院も不要なため、広く普及している多汗症治療のひとつです。
ただし、効果は半年から1年ほどしか持続せず、費用も高価であるというデメリットがあります。
- 手術による治療
多汗症の症状が日常生活に支障をきたすほどひどく、他の治療法で改善できない場合、手術という方法もあります。
わきが多汗症の場合は、わきの下を3~4センチ切開し、アポクリン腺とエクリン腺を切除します。
術後は再発の可能性が殆どなく、確実な効果が期待できます。
ただし、汗腺は完全に取り切れないので、まったく汗が出なくなるというわけではありません。
また、手術部位の傷跡が残ってしまったり、色素沈着が見られる場合もあります。
費用も高価なため、医師と十分に相談し、よく検討してから行うようにしてください。
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