更年期うつの症状と原因
更年期の症状のひとつに「うつ」があります。
症状の出方には個人差がありますが、閉経のためにホルモン分泌のバランスや自律神経のバランスが乱れ、「憂うつで何もしたくない、イライラして何かにあたりたくなる、突然涙が出る、夜眠れない」などのうつ症状が出やすくなります。
更年期うつを乗り越えるためには、症状と原因について理解を深めておくことが大切です。
更年期うつの心と体の症状
更年期うつの症状は、精神面と身体面の両方に現れます。
具体的には次のような症状ですが、症状の現れ方には個人差があり、強く現れる場合もあれば、気づかないほど軽い場合もあります。
また、多くの場合、うつ症状は日内変動(朝が悪く夕方に楽になる)の傾向があります。
【精神的な症状】
- 憂うつで何もやる気がおきない
- 考え方がネガティブになる
- イライラして家族にあたる
- 意味もなく罪悪感にさいなまれる
- 自分に自信が持てない
- 記憶力・判断力が低下する
- 理由もなく突然涙が出る
- 不安で落ち着かない
- 自殺願望が起こる
【身体的な症状】
- 食欲がない
- やせる、または反対に太る
- 倦怠感や疲労感がある
- 夜眠れない、1日中眠い
- 朝、起きられない
- てきぱきと家事をこなすことができない
- 外出がおっくうになる
- 原因不明の体調不良が続いている
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更年期うつの原因は?
更年期うつは、次のようないくつかの原因が重なって発症すると考えられています。
- 閉経に伴うホルモン分泌量の変化
更年期に入ると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し始めますが、特に閉経後は急激に減少します。
エストロゲンは、脳内ではセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の合成を促進する働きをしています。
しかし、エストロゲンの減少によりセロトニンやノルアドレナリンの機能も低下するため、うつ症状が現れると考えられています。
同時に自律神経のバランスも崩れぎみになり、情緒不安定などの症状を引き起こしやすくなります。
- 生活環境の変化
女性にとって更年期にあたる40代後半から50代前半は、生活環境も大きく変わるときです。
子供が成長し独立や結婚などで親元を離れて行くと、大きな孤独感や不安感に襲われます。
また、親の介護や身近な人の死に直面することも多くなり、不安感がさらに強くなります。
仕事上では、責任ある立場に立たされることも多くなり、それが目に見えないプレッシャーとなってストレスが溜まりがちになります。
このような生活環境の変化や精神的なストレスは、容易にうつ症状を発症する引き金になります。
- 性格的要因
どんなにホルモン分泌のバランスや自律神経のバランスが崩れても、またどんな過酷な生活環境下におかれても、うつ症状をまったく発症しない人もいます。
反対に些細なことがきっかけでうつになってしまう人もいます。
これは、性格的要因によるものと考えられています。
一般に、きちょうめんな性格の女性や、独立心が弱く子供や家族に依存しがちな女性は、更年期うつを発症しやすいと考えられています。
また、閉経で生理が終わってしまい「もう女性ではない」などと大きな喪失感を抱えてしまう女性は、更年期うつになりやすく、反対に「わずらわしさから解放された!」と喜んでしまう女性は、うつにはなりにくいようです。
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