更年期症状はなぜ起こる?
閉経前後の約10年間、中高年女性を悩ませる更年期症状はなぜ起こるのでしょうか?
更年期症状が起こる大きな原因は、卵巣機能の衰えと女性ホルモンの分泌低下です。
女性の体の変化と更年期症状
更年期症状は、女性の体の変化に伴って起こります。
妊娠や出産を控えた10代後半から20代の女性の卵巣には、数十万個の卵胞がありますが、40代になるとその数は急激に減少し、50代になると数千にまで減少します。
卵胞の数が減少するに従って卵巣機能も衰え始め、卵子が成熟しないうちに排卵してしまうこともあります。
また、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量も低下していきます。
このエストロゲンは、排卵を促すほか思春期には乳房や子宮を発達させるなどの働きを担ってきましたが、骨密度を維持したり、血液中のコレステロールを減らしたり、自律神経を安定させるなどの働きも併せ持っています。
そのため、45歳前後にエストロゲンの減少が始まると骨密度が低下したり、コレステロール値が上昇するなどの体の変化が見られるようになります。
さらに卵巣からの女性ホルモンの分泌が低下する一方で、下垂体からの卵胞刺激ホルモンは増加するため、自律神経が非常に不安定になり、ホットフラッシュやめまい、発汗、イライラ、うつ症状といった更年期特有の症状が現れるようになります。
ただし、このような更年期症状は、現れ方に個人差があり、強く出る人もいれば殆ど出ない人もいます。ひとつの症状だけが出る人もいれば、いくつもの症状が同時に出る人もいます。
特に40代から50代の中高年女性にとっては、親の介護が必要になったり、子供が成人して離れて行ったりと環境が大きく変わる時期と重なるため、このような精神的なストレスが更年期症状の悪化の要因となることがあります。
このような更年期症状が悪化して日常に支障が生じるようになったものを「更年期障害」と言い、時には治療が必要になることもあります。
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