更年期の肌のかゆみとかさつき

更年期に入ると女性は色々な症状に悩まされますが、肌のかゆみやかさつきもそのひとつです。
それは、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少することが大きな原因ですが、空気が乾燥することにより悪化する傾向があります。

更年期に肌がかゆくなるのはなぜ?

更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少します。

その結果、皮膚の線維組織を構成しているコラーゲンやエラスチンの量が減り、皮膚が薄くなり弾力もなくなって来ます。

また、皮膚を保護し潤いを保っている脂成分セラミドも減ってくるため、保水力が失われ、刺激に敏感になって来ます。

空気に触れる手や足の皮膚に湿疹などができて荒れやすくなるほか、肌着がすれて背中や腰、その他の部分がかゆくなったり、かさついたりします。

特に空気が乾燥する冬は肌も乾燥し、かゆみやかさつきもひどくなりがちです。
中高年女性の肌は、想像以上にデリケートになっているのです。


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更年期の肌のかゆみ対策

つらい症状をそのままにしておくより、次のような対策をとって改善してみましょう。

  • クリームを使用する
    症状が軽ければ、かゆみやかさつきのある部分に保湿効果のあるクリームを塗るだけで改善します。
    口に入っても安全で敏感肌の人にも使える「白色ワセリン」は、価格も安く、ドラッグストアで気軽に購入できるのでおすすめです。
    また、「ビタミンA(レチノール)」「ビタミンE(トコフェロール)」などが配合されているクリームは、肌の新陳代謝を促進し、肌に潤いを与えます。
    「尿素(ウレア)」が配合されているクリームは、皮膚の水分を保持する働きがあるため、乾燥肌の改善に役立ちます。
    そのほか、コラーゲン、スクワラン、ヒアルロン酸、セラミドなど、肌を構成する成分が含まれているクリームも販売されています。
    このようなクリームは一般に高価ですが、不足している成分を直接補うことができるため、肌のかゆみやかさつきの改善につながります。
  • 軟膏を塗る
    かゆみがひどかったり、患部が炎症を起こしている場合は軟膏を塗ることにより、改善することがあります。
    かゆみを抑える成分のほか、化膿を防ぐ抗生物質、皮膚の炎症を抑える副腎皮質ホルモン(ステロイド)が配合されているものがありますが、このような軟膏は自己判断で使用するのは難しい面もあるので、薬剤師や皮膚科の医師に相談の上、使用するようにしましょう。
  • 食事で改善する
    更年期の肌のかゆみ、かさつきを改善したり悪化するのを防ぐためには、毎日の食生活が重要です。
    健康な皮膚をつくる元になる良質なタンパク質を、大豆製品や乳製品からしっかり摂りましょう。
    皮膚を乾燥から防ぐビタミンA、粘膜を保護するビタミンB、血行を良くして新陳代謝を促進するビタミンEなども、緑黄色野菜や青魚、海藻類からまんべんなく摂りましょう。
    皮膚の隅々まで栄養が行き渡れば、肌の水分や脂質のバランスもとれ、かゆみやかさつきから守ることができます。
  • 漢方薬を使用する
    漢方薬は、さまざまな更年期障害の症状を改善するものとして昔から使用されており、近年では病院で処方されることもあります。
    漢方薬は即効性はありませんが、じっくりと体質を改善しながら更年期の症状を治して行くため、いったん良くなれば持続性があります。
    肌のかゆみ(皮膚掻痒症)やかさつきの改善に使用される漢方薬には、二甲地黄湯(にこうじおうとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、真武湯(しんぶとう)、二甲地黄湯(にこうじおうとう)、補血養肝薬(ほけつようかんやく)などがあります。
  • ホルモン補充療法を受ける
    症状が強い場合は、婦人科を受診してホルモン補充療法(HRT)を受けることもできます。
    更年期に不足してきた女性ホルモンであるエストロゲンを飲み薬や貼り薬として補充する療法で、肌のかゆみやかさつき以外の色々な更年期症状を同時に改善できる可能性もあります。
    しかし、長期間行うと乳がんのリスクが高くなる、たばこを吸っている女性が行うと血栓ができやすくなるなどの副作用が報告されているため、ホルモン補充療法を行う場合は定期的にホルモン検査や子宮がん、乳がんなどの検査を行う必要があります。


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