骨密度(BMD)の測定方法と正常値
骨密度(BMD)とは、骨の強さを判定するための尺度の1つですが、骨密度を測定することにより、骨粗しょう症のリスクがあるかどうかを調べることができます。
骨密度の測定方法には、超音波を用いた方法やX線を用いた方法がいくつかあります。また、骨密度が正常値であるかどうかの判定は、基準値を元に行われます。
骨密度(BMD)の測定法
- QUS法(超音波法)
最も一般的な測定法で、かかとやすねの骨の部分に超音波をあて、跳ね返ってくる超音波を調べることによって、骨密度を測定します。
1分程度で測定でき、X線を使用しないので、妊婦さんの測定も可能ですが、精度的にはやや落ちます。
- DXA(デキサ)法
エネルギーの低い2種類のX線を腰椎、大腿骨、手の骨、前腕骨、脊椎などに当てて、骨密度を測定する方法です。
全身の殆どの骨の骨密度を測定することができますが、通常は腰椎で行われ、最も精度が高い方法とされています。
- MD(エムディ)法
手の指の骨と厚さの異なるアルミニウム板とをX線を使って同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べることによって骨密度を測定する方法です。
検査が短時間で済むというメリットがあります。
- QCT法
X線CT装置を使って、腰椎の骨密度を測定する方法です。測定基準となる物質を背中に敷いて、腰椎を輪切りにしたような状態で撮影します。
海綿骨と皮質骨を分けての測定が可能で、末梢骨専用のpQCTでは、手首の橈骨の海綿骨の骨密度を測定することが可能です。
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骨密度の単位
骨密度の検査は、単位面積当たりの骨の重さを測定するものです。
そのため、測定結果はg/cm2(平方センチ)単位で算出されます。
骨密度は18歳~25歳の頃にピークを迎えますが、このピーク時には1.0g/cm2(平方センチ)あるのが理想とされています。
その後、加齢に伴いこの数値よりも低くなるのが普通ですが、どのくらい低いと危険であるかを知るための比較指標として「YAM」が用いられます。
「YAM」は「Young Adult Mean」の略で、「若年成人平均値」と略され、20~44歳までの健康な女性の骨密度の平均値を表わしています。
骨密度の正常値
骨密度が正常かどうかを知るためには、同年齢の骨密度の平均値と、骨量が最大となる 20~44歳の若年成人の平均値(YAM)が基準となります。
測定結果の骨密度の数値が、それぞれの平均値の何パーセントに当たるかを調べます。
20~44歳の成人平均値(YAM)をもとにした場合は次のようになります。
- 基準の80%以上 :正常
- 70~80% :骨量減少(要注意)
- 70%未満 :骨粗しょう症の可能性
※骨密度が、70%未満の場合は、骨粗しょう症の可能性が高くなるので、早急な対策が必要になります。
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