更年期うつを改善するには?
更年期うつはいつまでも続く症状ではありませんが、落ち込んでつらい日々を過ごすよりは、少しでも改善して生活を充実させたいですね。
症状が軽ければまずは自分でできる方法で改善してみましょう。また、あまりにもつらく重症化した場合は我慢せずに婦人科や心療内科を受診しましょう。
更年期うつを改善する方法
- リラックスする
更年期うつは、まじめで几帳面な女性がなりやすいと言われます。
しかし、「のぼせ」や「ほてり」の更年期症状がいずれ消失して行くように、更年期うつの症状もいつかは自然に消失して行きます。
今はつらくても現実を受け入れつつ、心身ともにリラックスすることを心がけるだけで、うつの症状を軽くすることができます。
好きなお茶を飲んだり、おいしいものを食べたり、音楽を聴いたりしてゆったりと休める時間を多くとりましょう。
時折、不安が襲ってきても「何とかなる」と開き直ってしまうのもひとつの方法です。
- 体を動かす
脳内で作られるホルモンのひとつ「セロトニン」は、精神を安定させる働きがありますが、うつ状態の時はこのセロトニンが不足しています。
セロトニンは、ウォーキング、階段の昇り降り、スクワットなどのリズミカルな運動によって活性化するという特徴があり、特に朝の太陽の光を浴びることによって分泌量が増加します。
何となく体が重い・・・と感じても、ともかく5分でも10分でも朝日の中で体を動かしてみましょう。全身の血行も良くなり、気分もすっきりしてきます。
スポンサーリンク - 食事で改善する
朝食をしっかり摂り、よく噛んで食べることにより、精神のバランスに欠かせないホルモンである「セロトニン」の働きが活性化します。
食べ物を噛むという動作が、リズミカルな運動となり、セロトニンの分泌を促すからです。
また、セロトニンは、「トリプトファン」と「ビタミンB6」から作られますが、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンは、体内では生成することができない物質なので、食事により取り込む必要があります。
トリプトファンを含む食品には、バナナ、納豆、チーズ、豆乳、ヨーグルト、すじこ、たらこ、そば、赤身魚などがあります。更年期うつ改善のためにも、このような食品を積極的に摂りましょう。
- 腹式呼吸
普段は意識していませんが、気分が落ち込んでうつ状態になっている時は、浅く短い呼吸を繰り返しています。その結果、血流が悪くなり、全身の酸素も不足して気分もよりいっそうどんよりとして来ます。
深く長い腹式呼吸を行うと、腹部のうっ血が取れ、全身が温まって体の隅々まで新鮮な酸素が運ばれて行くので、気分もスッキリし、自律神経のバランスも回復してきます。
特におへそのすぐ下にある丹田(たんでん)を意識しながら行なう「丹田呼吸法」は、更年期うつの改善にも効果的です。
- 漢方薬を利用する
西洋薬に比べて即効性はありませんが、副作用が少ない漢方薬は更年期うつの改善も期待できます。
更年期症状の改善に役立つ代表的な漢方薬には、次のようなものがあります。
なお、漢方薬を利用する場合は、必ず専門家に相談してください。
・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・逍遥散(しょうようさん)
・抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)
・加味帰脾湯(かみきひとう)
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
・甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)
- サプリメントを利用する
軽いうつ状態で、じっくりと改善して行くには、サプリメントも有効です。
更年期に急激に減少する女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持つものや、自律神経を整える働きのあるものがおすすめです。
更年期うつの改善に役立つ代表的なサプリメントには、次のようなものがあります。
なお、サプリメントの効き目には個人差があることを認識しておいてください。
また、まれに過剰摂取による副作用が生じることがあるので、1日の摂取量を守るようにしましょう。
・大豆イソフラボン
・イチョウ葉エキス
・セントジョーンズワート
・プラセンタ
・レッドクローバー
- 婦人科や心療内科を受診する
うつ状態がなかなか回復せず、日常生活に重大な影響が出たり、身体面の衰弱が激しい場合は、我慢せずに婦人科や心療内科を受診しましょう。
近くに更年期外来があれば、そちらもおすすめです。
時には、カウンセリングだけで症状が軽快する場合も多く、HRT(ホルモン補充療法)などの薬物療法で改善することもあります。
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