活性酸素とアンチエイジング
活性酸素が原因の老化現象
呼吸によって取り込まれる酸素は、私達の体にとって必要不可欠なものですが、その一部が他の物質と反応しやすい状態の活性酸素に変化します。
活性酸素は体を酸化させ、病気や老化を引き起こす原因にもなっています。活性酸素は体内で病原菌を殺す役割も担っていますが、過剰に発生すると細胞や組織を傷つけてしまうからです。
活性酸素が原因とされる老化現象には次のようなものがあります。
- 血管の老化
血管が老化すると、詰まりやすくなり脳疾患や心疾患などの重大な病気を引き起こします。
特に血管内の悪玉コレステロール(LDL)と表面にある脂質が活性酸素と結びつくと、酸化して「酸化LDL」 になり、血管内に付着して動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化は、体内の血液の正常な循環を妨げるため、さまざまな生活習慣病を悪化させ、体の老化を早めます。
- 肌の老化
40代、50代の中高年女性が気になる肌の老化も、活性酸素が関係しています。
シミやシワ、そばかすなどの肌の老化の原因となる活性酸素は、主に紫外線により発生します。
肌から吸収された紫外線は活性酸素を発生させ、それを除去するためにメラニン色素が分泌されますが、このメラニン色素の過剰分泌により、シミやそばかすができやすくなります。
- 内蔵機能の低下
体内に発生した活性酸素は、酸素に比べて不安定な状態にあり、他の細胞から電子を奪うことにより安定状態を保とうとします。
この電子が奪われた状態が酸化ですが、電子を奪われた細胞はその周りの細胞から次々に電子を奪って行くため、酸化がどんどん広がって行きます。
このようなことが細胞レベルで行われているため、酸化が進んだ内臓の機能は低下して行きます。
特に24時間活発に活動している肝臓は活性酸素の影響を受けやすく、酸化が進むと「だるい、疲れやすい」といった症状が出てきます。
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抗酸化酵素(スカベンジャー)の存在
活性酸素の害から身を守るために、人間の身体にはもともと活性酸素を除去する働きのある「抗酸化酵素(スカベンジャー)」が備わっています。
SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンなどで、これらの抗酸化酵素は、体の中の余分な活性酸素を還元、消去しています。
しかし、20歳をピークにこの抗酸化酵素の生成機能が低下し、40代になるとピークの半分にまで減少してしまいます。
抗酸化酵素(スカベンジャー)が減少してしまうと、活性酸素の害から体を守りきれなくなり、老化が進んでしまうことになるのです。
しかし、アンチエイジングに関するさまざまな研究が行われた結果、この抗酸化酵素の変わりに、活性酸素を除去する働きのある栄養素を食品から摂取することが可能であることがわかってきています。
これらの栄養素は、抗酸化物質と呼ばれ、主なものにビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、リコピン、ポリフェノールなどがあります。
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