「良質な油」で美肌を保とう

毎日の料理に使う油は、できる限り「良質な油」を選びましょう。

食品としての油は、肌にもダイレクトに影響を与えます。良質な油を使えば、肌に適度な潤いを与え、くすみやシワを防いで美肌を保つことができます。

逆に健康に良くない油は、肌にも悪影響を与え、肌荒れやニキビ、吹き出物の原因になります。

食用油と肌の関係

食物と一緒に体内に入った油は、肌の潤いを保っている皮脂膜の材料になります。
また、全身のあらゆる細胞の「細胞膜」や、美肌づくりに欠かせない女性ホルモンも、口にした油がもとになっています。

そのため、普段から良質な油を使用することにより、肌荒れやくすみ、シワなどを防ぎ美肌を保つことができます。

美容クリームなどで、外側から肌をケアすることも大切ですが、内側からのケアはより重要と言えます。

反面、質の良くない油を摂り続けていると、悪玉コレステロールを増やしたり、身体を酸化させたり、老化を促進してしまいます。
その結果、美肌からもどんどん遠ざかってしまうので、できる限り質の良い油を使用するようにしましょう。

トランス脂肪酸を多く含む油を避けよう

世界各国で規制の対象になっているトランス脂肪酸は、身体にも肌にも悪い影響を与える油の代表例です。

トランス脂肪酸は、油脂を加工・ 精製する工程でできる人工的な脂肪分で、「狂った油」とか「食べるプラスチック」などとも呼ばれています。

牛肉や羊肉、牛乳、乳製品の中には、天然のトランス脂肪酸が微量含まれていますが、油脂を加工・精製する工程でできるものには、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどがあります。

また、このようなものを原材料にしたパンやケーキ、アイスクリーム、ドーナツ、揚げ物などにも含まれています。

さらに、一般に使用されているサラダ油など、低温圧搾(コールドプレス)以外の抽出法で大量生産された油にもトランス脂肪酸が含まれています。

このトランス脂肪酸が身体に与える影響として、悪玉コレステロールの増加、動脈硬化、心疾患、認知症、パーキンソン病、アレルギー、免疫機能の低下、ガンのリスク増加、不妊などがあげられますが、肌への影響も無視できません。

ハリや弾力を失わせ、シミ、シワ、くすみなどの原因になるほか、アレルギー性皮膚炎を誘発することもあります。

美肌を保つためにも、トランス脂肪酸を含む油や食品はできる限り避けるようにしましょう。


スポンサーリンク


酸化した油と肌への影響

食品が酸化するということは、「腐る」ということですが、油の場合も時間の経過とともに酸化し、変質して行きます。
特に空気や光に触れたり、金属に触れたり、100度以上の高温にさらされた油は、酸化しやすくなります。

酸化が進んだ油を口に入れると、一時的に胸やけや下痢、倦怠感などの症状が表れますが、日常的に酸化した油を食べ続けていると、ガンやその他のあらゆる成人病のリスクを増やしたり、アレルギー症状を誘発します。

また、酸化した油の過酸化物が、体内で過酸化脂質となり、正常な脂質を攻撃するため、肌の健康な細胞にもダメージを与えます。その結果、ニキビや吹き出物などができやすくなります。

肌細胞の保水力も弱まるため、乾燥しがちになったり、逆に皮脂が過剰に分泌されたりして、さまざまな肌トラブルが起きやすくなります。

スーパーやコンビニに陳列してある揚げ物やお惣菜は、調理して時間が経っている場合、油が酸化している可能性があります。
ポテトチップスなどのスナック菓子や、インスタントラーメン、油を使った冷凍食品、レトルト食品なども要注意です。


美肌のために積極的に摂りたい「良質な油」とは

健康にも良く、美肌づくりにも役立つ「良質な油」には、次のようなものがあります。

  • オリーブオイル
    オリーブオイルには、生活習慣病の原因となる悪玉コレステロールの低下作用や、活性酸素を抑制する作用、ダイエット効果などがあることが知られています。
    また、肌に潤いを与え、ニキビや吹き出物などの炎症を鎮める働きもあるので、美肌づくりにも役立ちます。
    ただし、市場には品質の悪いオリーブオイルも出回っているので、注意してください。
    オーガニック認証を受けた天然のオリーブの実から作られた、「エキストラバージンオリーブオイル」がおすすめです。
  • なたね油
    抗酸化力があるビタミンEが多く含まれているなたね油には、悪玉コレステロールを減らしたり、動脈硬化を防ぐ不飽和脂肪酸がバランスよく入っています。
    シミやシワ、くすみ、たるみなどの肌老化の予防にもなるので、積極的に摂りたい油のひとつです。
    なたね油を選ぶ場合は、国産菜種を原料とし、低温圧搾(コールドプレス)で作られたものがおすすめです。キャノーラ油もなたね油のひとつですが、遺伝子組み換えの品種が使われていたり、高温圧搾で大量生産されたものは、トランス脂肪酸が含まれている可能性があります。
  • えごま油
    えごま油は、シソ科の植物の種から作られますが、シソの香りはせず無味無臭でサラサラとした軽い口当たりが特徴です。
    体内でDHAやEPAに変わる「α-リノレン酸」が豊富に含まれており、血管の壁に溜まったコレステロールの排出を促進したり、傷ついた血管を修復する効果があるとされています。
    美肌効果のほか、脳の神経細胞を活性化させる働きもあるため、うつ病改善効果、認知症予防効果も期待できるとして、注目を集めています。
  • 亜麻仁油
    亜麻仁油(あまにゆ)は、一年草の植物である亜麻の種から絞った油で、油であるにもかかわらず水に溶けるという特徴があります。
    α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸などが含まれており、悪玉コレステロールが増えるのを抑えたり、血流を良くする働きがあるため、肩こりや冷え性の改善、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防にも役立ちます。
    また、肌の乾燥を防ぎ、肌荒れ改善なども期待できる油として注目を集めています。
    亜麻仁油は、サラダにかけるなど、火を通さずに生の状態での摂取がおすすめです。
  • グレープシードオイル
    ワイン作りに使うブドウの種子から抽出される油で、ポリフェノールが豊富に含まれているほか、ビタミンE、オレイン酸、リノール酸なども含まれています。
    グレープシードオイルは、肌の乾燥しやすい部分に塗布したり、マッサージオイルとして使用することもできますが、食用として市販されているものは、炒め料理や揚げ料理、焼き料理など、熱を加える料理に適しています。
    美肌作りに役立つほか、活性酸素の抑制、動脈硬化や心臓病の予防、アンチエイジングにも有用とされています。
  • ココナッツオイル
    ココヤシの果実(椰子の実)から作られたココナッツオイルは、色々な料理に使えるほか、肌に塗ってクレンジングオイルや保湿オイルとして使ったり、洗髪後のヘアオイルとしても使うことができます。
    抗菌作用の強いラウリン酸が含まれているため、肌に塗ることにより、切り傷や擦り傷、やけどの改善、ニキビや肌トラブルの改善にも効果があると言われています。
    食品としてのココナッツオイルには、美肌作りやダイエットに役立つばかりでなく、便秘改善や糖尿病予防、アレルギー症状の改善、免疫力アップ、冷え性改善なども期待できます。
    ただし、精製済のココナッツオイルには、体に良いラウリン酸が除去されていたり、トランス脂肪酸が含まれているものがあるので注意してください。
    非加熱または低温圧搾のエキストラヴァージンココナッツオイルがおすすめです。

スポンサーリンク


関連ページ