内臓脂肪とメタボリックシンドローム
「メタボリックシンドローム」という言葉は、すでに社会に浸透していますが、これは内臓脂肪型肥満に高血糖・高血圧・高脂血症のうち2つ以上の症状を合併した状態を指します。
現在、40歳~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームか、その予備群であると言われています。
メタボリックシンドロームはなぜ怖い?
メタボリックシンドロームは、以前は「死の四重奏」と言われていましたが、それは「肥満」「高血圧」「高血糖」「高脂血」の4つの危険因子のうち、2つ持つ人は全く持たない人に比べ心臓病の発症リスクが10倍に、3つから4つ持つ人は31倍にもなるからです。
また、脳血管障害などの重大な生活習慣病発症のリスクも高まります。
そして、その背景には内臓脂肪の蓄積があります。
メタボリックシンドロームの診断基準
メタボリックシンドロームの診断基準として、まずウエスト周囲径が男性の場合85cm以上、女性の場合90cm以上あることに加え、次の3項目のうち2つ以上が該当する場合、メタボリックシンドロームと診断されます。
- 収縮期血圧が130mmHg以上か拡張期血圧が85mmHg以上
- 空腹時の血糖値が110mg/dl以上
- 中性脂肪が150mg/dl以上か、HDLコレステロールが40mg/dl未満。
内臓脂肪とメタボリックシンドロームの関係
肥満には、「洋なし型肥満」ともいわれる皮下脂肪蓄積型と、「りんご型肥満」ともいわれる内臓脂肪蓄積型とがありますが、メタボリックシンドロームと関連があるのは、内臓脂肪型肥満のほうです。
内臓に過剰に脂肪がつく内臓脂肪蓄積型の肥満では、血液中で血糖を下げるインスリンの効きめを妨げる物質が増加したり、血圧を上げる作用のある物質の増加、血液を固まり易くする作用のある物質の増加を引き起こします。
その結果、高血圧や糖尿病、高脂血症、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な生活習慣病へとつながってしまうのです。
しかし、幸いにも皮下脂肪と異なり、内臓脂肪はつきやすく落としやすいという特徴があります。
内臓脂肪型肥満に気づいたら、摂取カロリーの制限や運動による脂肪の燃焼などで、肥満を解消し、メタボリックシンドロームを防ぐことができるのです。
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